2011年7月10日日曜日

「安心」追求は隠蔽体質より深刻な問題

久しぶりの更新。
しかしその間にも随分沢山の絶望ネタがあった。
まったくこの国に済む限りは絶望に事欠かない。

九州電力の「やらせメール」問題。
一企業が自社の進める事業に障害とならないよう宣伝活動をおこなうのはむしろ当然のことで、社外のルールに反しない限りはそれ自体が問題ではない。

問題なのは、事業者や政府の意識が、もっぱら「住民が不安を持っていない」という状態を目指していることだ。
原子力発電所のように、事故が起こる確率は非常に低いが、一旦それが起これば極めて大きな損害が発生するようなものは、現実にどの程度の危険があるのか、それをどの程度のコストで受け入れる/避けるのかの判断は極めて難しい。だからこそコンセンサスを得ていくまでのプロセスが重要になる。

ところが日本の電力会社も政府も、さらにマスメディアも、そうした実質的なリスク管理とはまったく無関係なところにしか意識が向いていない。
だからこそ震災前にも、ロクな危険性の検証すらしないで平気だったのだが、震災後もまったくその反省はない。東京電力も東北電力も九州電力も、政府もマスメディアも「国民に不安を与える」か否かが問題であるかのような態度だ。

薄っぺらな「安心」追求の一方で実質的な安全性はなおざり、という状態はこれからもまだまだ続きそうだ。ここは日本だから。

2011年5月28日土曜日

WSJ日本版:フィッチ、日本の格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ

記事URL = http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_242599


この記事自体に日本の状況について新しい情報が含まれているわけではないが、「日本はもう終わり」という認識が定着しつつあることを改めて示している。


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